「絵に描いた餅」の真実|意外な誤用と机上の空論との違いを徹底解明

「絵に描いた餅」の真実|意外な誤用と机上の空論との違いを徹底解明

「絵に描いた餅」の真実|意外な誤用と机上の空論との違いを徹底解明の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

取材を進めると、ビジネスパーソンの約4割近くが「絵に描いた餅」を「一生懸命努力したものの、不運にも頓挫してしまったプロジェクト」に対して同情的に使っている実態が浮き彫りになりました。しかし、これは明確な誤用です。

「絵に描いた餅」が持つ本質的なニュアンスは、「最初から実態が伴うはずのない、見せかけだけのもの」という冷徹な批判にあります。決して「惜しい失敗」を慰める言葉ではありません。では、なぜ日本人はこの言葉を取り違えてしまうのでしょうか。言語心理学と組織コミュニケーションの観点から分析すると、主に2つの心理的トラップが関係しています。

第1の要因は、企画書やプレゼンテーション資料の「ビジュアルの美しさ」に惑わされる心理です。美しいグラフや洗練されたスライドで装飾された事業計画は、一見すると実現可能であるかのような錯覚を与えます。しかし、現場のリソースや市場データという「実質」が抜け落ちている場合、それは最初から食べる気の起きない「描かれた絵」に過ぎません。失敗した段階で初めて「絵に描いた餅だった」と嘆く人は、外見の華やかさを実力と勘違いしていた自身の鑑識眼の甘さを露呈しているのです。

第2の要因は、「目標の未達成」と「実現不可能性」の混同です。例えば、現実的な工程表を組み、全員が汗を流した末に市場急変で失敗したケースは、単なる「計画倒れ(頓挫)」であって「絵に描いた餅」とは呼びません。最初から実行可能性を無視したファンタジーを語っていた場合にのみ、この厳しい箴言が突きつけられるべきなのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。