株価が乱高下する一方で、事業のファンダメンタルズ(基礎的条件)に目を向けると、創業家3代目の辻朋邦社長による構造改革は極めて順調に成果を上げています。かつてのサンリオは、直営店舗での物販を中心とした典型的な「固定費負担の重いリテール型ビジネス」であり、キャラクター人気が落ちると急速に赤字転落する脆弱性を抱えていました。
これに対し、サンリオ辻社長経営改革最新動向の真骨頂は、徹底したサンリオIPライセンスビジネスへのシフトです。ハローキティのみに依存する体制から脱却し、シナモロール、クロミ、ポチャッコ、ハンギョドンなどを多面展開。自社で在庫リスクを持たず、他社製品やデジタル空間にキャラクターの意匠権を許諾するロイヤリティモデルへ移行したことで、営業利益率は過去最高水準へ跳ね上がりました。
「ハローキティ頼みからの脱却と、デジタルマーケティングを駆使したグローバル市場でのZ世代・アルファ世代のファン獲得」という事業本隊の変革スピードは極めて速いものの、株式市場は時に実態の2〜3歩先を織り込みに行きます。業績が前年比数十パーセント伸びていても、株価がそれを先取りして数倍に跳ね上がっていれば、少しの成長減速感で急激なバリュエーション調整(PERの修正)が発生します。これが「業績は絶好調なのに株価が暴落する」という乖離の正体です。