公立化が白紙撤回された直後、インターネット上やSNSでは「姫路獨協大学は近いうちになくなるのではないか」という倒産・廃校説が一気に拡散しました。この噂に拍車をかけたのが、薬学部および人間社会学群の学生募集停止という衝撃的な発表です。
なぜ主力であったはずの学部が募集停止に追い込まれたのか。そこには2つの構造的要因が存在します。
第1に、薬学部の全国的な供給過剰と志願者激減です。2006年の6年制移行に伴い全国で新設ラッシュが起きた薬学部は、近年私立大を中心に深刻な定員割れが常態化しました。姫路獨協大学薬学部も志願者の確保に苦戦し、入学定員を大幅に割り込む年度が連続。薬剤師国家試験の合格率維持と経営収支のバランスが限界に達していました。
第2に、文系学部のブランド競争力低下です。かつての外国語学部や法学部を統合して誕生した人間社会学群でしたが、関西圏の京阪神志向や中堅私大との競合に競り負け、長年にわたり定員充足率の低下が続いていました。
結論として、「大学が完全になくなる」という噂は誤りです。学校法人獨協学園が選択したのは全面撤退ではなく、不採算部門を切り離して地域ニーズの高い分野へ資源を集中投下する「医療系総合大学へのコンパクト化(ダウンサイジング)」でした。現在、同大学は医療保健学部と看護学部の2学部に絞り込み、地域医療を支えるコ・メディカル育成拠点としての再構築を図っています。