配管作業で使われる工具には複数の種類が存在しますが、それぞれの役割は明確に分かれています。パイプレンチの最大の特徴は、鋳鉄やアルミ製のフレームに配置された「固定アゴ(フレーム側)」と「可動アゴ(フック側)」の内側に、鋭利なノコギリ状の歯が刻まれている点です。力をかけるとテコの原理によって可動アゴがパイプに深く食い込み、回転方向への強力なトルクを生み出します。
工具選びで初心者が最も混同しやすいのが、モンキーレンチやモーターレンチとの違いです。それぞれの特性を正しく把握しておく必要があります。
モンキーレンチとモーターレンチとの違い:
モンキーレンチやモーターレンチは、平行な平らなアゴでボルトやナットの「面」を挟んで回す工具です。表面に歯が刻まれていないため、六角ナットや給排水管の化粧メッキナットを傷つけずに締め付ける用途に適しています。これに対してパイプレンチは、丸いパイプの「円周」に歯を食い込ませて回すため、丸パイプを回すことには長けていますが、化粧ナットに使用すると表面が削れてボロボロになってしまいます。
コーナーレンチとの違いと使い分け:
パイプレンチとよく比較される配管工具にコーナーレンチがあります。通常のパイプレンチは本体に対して垂直方向にパイプをくわえ込むため、一定の作業スペースを必要とします。一方、コーナーレンチはアゴの角度が工夫されており、壁際や床下、継手のエルボ・チーズといった入り組んだ狭所でも正面から配管を捉えることが可能です。作業スペースが十分に確保できる場所では高トルクをかけやすいパイプレンチ、障害物が多い狭所ではコーナーレンチを選択するのが配管施工の基本です。