『Girl』という楽曲が歩んだ道のりは、日本のポップスシーンにおいても極めて珍しい軌跡を描いています。初出は2013年1月30日に発売された4thオリジナルアルバム『Signed POP』の収録曲でした。当時からファンの間では「隠れた最高傑作」と高く評価されていましたが、その潜在能力がマスへ向けて解き放たれたのは4年後のことでした。
2017年4月期、読売テレビ・日本テレビ系木曜ドラマ『恋がヘタでも生きてます』(高梨臨主演)のプロデューサー陣から熱烈なオファーを受け、ドラマ主題歌への起用が決定。これに伴い、ストリングスアレンジを新たに再構築した「Girl 2017 Version」として、2017年5月3日に22ndシングルとしてリカット発売されました。アルバムの1ピースだった楽曲が、時を経てシングル表題曲として生まれ変わる展開は、楽曲そのものが持つ普遍的な強度の証明と言えます。
当時の制作インタビューにおいて秦基博本人は、「時間を経ても色あせないメロディと言葉を紡ぎたかった」と語っています。商業的なタイアップ先行で作られた楽曲ではなく、純粋な音楽的探求から生まれた曲だったからこそ、ドラマの描く「恋愛に不器用な大人の葛藤」と完璧に共鳴し、視聴者の心を強く掴みました。