本楽曲の作詞・作曲を手掛けた宮崎朝子は、自らのプライベートな実体験をそのまま歌にするのではなく、「架空の主人公や物語の設定を細かく作り込んでから作詞する」という独自の手法をとることで知られています。当時の音楽メディアのインタビューや制作手記でも語られている通り、彼女は少女漫画を描くような感覚で情景をノートに落とし込み、リスナーが自分自身を投影しやすい余白を残しながら歌詞を紡ぎ出しました。
2014年7月にシングルとして世に放たれた本作は、瞬く間に全国のラジオ局でパワープレイを獲得し、名盤と名高いアルバム『SHISHAMO 2』の収録曲(リードトラック)としても中核を担いました。宮崎朝子の鋭い人間観察力と、情景が鮮明に浮かび上がるストーリーテリングは、この楽曲によって完全に確立されたと言えます。
その後、バンドはメンバーチェンジを経て、宮崎朝子(Gt.Vo)、松岡彩(Ba)、吉川美冴貴(Dr)という強固なトリオ編成へと進化を遂げました。2026年現在のライブ現場においても、デビュー初期の瑞々しさを保ちながら、百戦錬磨のグルーヴで演奏される『君と夏フェス』は、バンドのアイデンティティを象徴するナンバーとして君臨し続けています。