和食の枠組みを飛び越え、洋食や中華のコク出し調味料として活用する潮流が定着しています。豊かなグルタミン酸は動物性タンパク質や脂質と極めて相性が良く、油分特有のくどさを抑えつつ後味の余韻を劇的に伸ばす働きを持っています。
家庭料理の筆頭格である鶏のから揚げの下味へのアレンジは、料理研究家の間でも絶賛されるテクニックです。鶏もも肉300gに対し、ねこぶだし大さじ1、すりおろし生姜・にんにく各小さじ1をもみ込み、15分置いてから片栗粉をまぶして揚げます。醤油で下味をつけると揚げ色が黒ずみやすい難点がありますが、ねこぶだしを用いることで黄金色の美しい衣に仕上がり、肉汁の中に凝縮されただしの旨味が溢れ出します。
さらに、ペペロンチーノや和風パスタの乳化を助ける隠し味、チャーハンの仕上げ鍋肌回し入れ、さらにはオリーブオイルと酢に大さじ1混ぜるだけの和風ドレッシングなど、応用の幅は広がり続けています。動物性脂質に昆布のミネラルと旨味が融合することで、味の輪郭が驚くほど鮮明になります。
ただし、こうしたポテンシャルを維持する上で絶対に軽視できないのが賞味期限と開封後の保存方法です。未開封時の賞味期限は約1年から1年半と長期間に設定されていますが、開封後は必ず冷蔵庫(10℃以下)で密閉保存しなければなりません。市販の保存料を極力抑えた天然系エキス主体の製品であるため、常温放置すると空気に触れた液面から酸化が進み、風味の劣化や沈殿物の変質を招きます。開封後は1〜2ヶ月以内を目安に使い切ることが、新鮮な磯の香りを堪能するための絶対条件です。