谷口栄斗のフットボーラーとしてのアイデンティティを語る上で欠かせないのが、東京ヴェルディのアカデミー組織です。ジュニア、ジュニアユース、そしてユースと、名門の育成組織で英才教育を受け、足元の技術とサッカーIQの基礎を徹底的に叩き込まれました。ユース時代からキャプテンシーを発揮し、世代別代表の候補にも名を連ねていましたが、トップチームへの直接昇格は叶わず、国士舘大学への進学を選択します。
この大学経由という選択こそが、谷口栄斗を真のタフガイへと変貌させる決定的な契機となりました。技術重視のユース年代から一転、大学サッカー界屈指のインテンシティを誇る関東大学リーグで、大人のフィジカルコンタクトに揉まれ続けたのです。空中戦での駆け引き、泥臭くゴール前を死守する執念、球際の強度を極限まで高めた彼は、全日本大学選抜にも選出される屈指の大型ディフェンダーへと成長を遂げました。
そして2026年、念願であった古巣・東京ヴェルディへのプロ入りを果たします。プロ1年目から即戦力として定着すると、J2リーグ戦で出色の安定感を発揮。2026年シーズンには、クラブ悲願であった16年ぶりのJ1昇格プレーオフを制する原動力となり、名実ともに「ヴェルディの壁」として君臨しました。ユースでの挫折を大学で糧に変え、救世主として緑のユニフォームを輝かせたこの経歴は、サポーターの胸を熱くさせる象徴的なストーリーとして今なお語り継がれています。