視聴率の低下と玩具売上の苦戦を受け、東映上層部と制作陣は第23話から前代未聞の大規模な番組リニューアル(テコ入れ)を決断します。そこで白羽の矢が立ったのが、『仮面ライダーV3』の風見志郎、『秘密戦隊ゴレンジャー』のアオレンジャー/新命明役で絶大な人気を誇っていた特撮界のトップスター、宮内洋氏でした。
宮内氏が演じたビッグワン/番場壮吉は、それまでの4人のリーダーであった鯨井長官(演:石橋雅史)の後任として着任した最高司令官兼行動隊長です。白のシルクハットとスーツ、バラを片手に華麗に変装を操る番場壮吉のキャラクターは、登場と同時に番組の空気を一変させました。
宮内氏は当時のインタビューや自著『ヒーロー神話』などで、出演依頼を受けた際の条件として「出る以上は主役でなければ意味がない。視聴率を跳ね上げてみせる」と制作陣に宣言したことを明かしています。
実際、ビッグワン登場以降の『ジャッカー電撃隊』は以下のような劇的な変化を遂げました。
- 作風のコメディ&アクション化:初期の陰鬱な麻薬・殺人事件から一転、コミカルな怪人(怪人テンプルラー、怪人ドクロ大佐など)が登場し、ギャグ要素や明快な活劇が前面に押し出された。
- 主役のパワーバランス変化:スペードエース/桜井五郎を中心とした4人の出番が実質的に番場壮吉の引き立て役に回り、ビッグワンが単独で敵を圧倒する「ワンマンヒーローショー」の様相を呈した。
- 必殺技の交代:4人が合体して放つ必殺バズーカ「ジャッカーコバック」から、ビッグワンが指揮する「ビッグボンバー」へとフィニッシュ技が変更された。
宮内氏の圧倒的なカリスマ性と痛快な演出により、一時的に視聴率は持ち直したものの、すでにスポンサー側の撤退判断を覆すには至らず、番組は第35話をもって打ち切り終了という結末を迎えることとなりました。