昔の記憶を頼りに淡路島をドライブし、「あの国道沿いにあった大きなお菓子館が見当たらない」と戸惑う旅行者は大勢います。結論から言えば、淡路お菓子館はすでに閉館しており、往時のような観光物産ドライブインとしての営業は行われていません。
淡路島観光の歴史と経緯を紐解くと、1980年代から1990年代前半にかけて、淡路島は関西圏からの手軽な離島リゾートとして団体旅行の黄金期を迎えていました。当時は本州からのアクセスがフェリー中心であり、港から洲本温泉や南あわじ方面へと抜ける幹線道路沿いに、大型バスを何十台も収容できる大型ドライブインが林立していた時代です。淡路お菓子館もそうした昭和・平成レトロツーリズムを象徴するランドマークとして、島内観光ルートの必須ポイントに組み込まれていました。
当時の評判を振り返ると、「試食が豊富で子どもからお年寄りまで楽しめた」「定番の玉ねぎせんべいやびわゼリー、鳴門オレンジの菓子がずらりと並び、お土産選びに迷う時間が楽しかった」と、旅のハイライトとして親しまれていたことが分かります。しかし、島をめぐるインフラの激変が、同館を含む旧来型ドライブインの運命を大きく揺るがすことになりました。