新築設計時、設計士やインテリアコーディネーターから「エアコンの配管が表に出ないため、リビングの吹き抜けや外観ファサードが劇的にすっきりしますよ」と提案され、採用を決めた施主は少なくありません。しかし築10年を超えた段階で、「こんなはずではなかった」と後悔の声が噴出しています。主なデメリットは以下の4点に集約されます。
1. 機種選定の自由度が極端に制限される
最新のフラッグシップエアコンに多く搭載されている「外気取り入れ換気機能」や「無給水加湿機能」は、冷媒管やドレンホースとは別に、太い換気・加湿専用ホースを屋外に通す必要があります。しかし、壁内に埋め込まれたスリーブ(配管穴)や埋設管には物理的なスペースの余裕がなく、換気・加湿機能付きの高機能モデルが設置不可となるケースが相次いでいます。結果として、機能が制限された下位グレードの機種を選ばざるを得なくなります。
2. 水漏れ・ガス漏れの早期発見が絶望的
露出配管であれば、ドレンホースの詰まりによる室内機からの水垂れや、室外機周辺の配管腐食をすぐに目視で確認できます。一方、隠蔽配管の内部で水漏れやガス漏れが発生すると、壁紙にシミが浮き出る、あるいは室内のカビ臭が耐えられなくなるまで異常に気付けません。最悪の場合、壁を解体しての大規模修繕工事が必要になります。
3. ハウスメーカーと空調業者の責任の押し付け合い
「新築時に施工したハウスメーカー」と「10年後に交換を依頼した電気店・空調業者」の間で、トラブル時の責任分界点が極めて曖昧になります。「壁内の勾配不良で水が逆流している(施工不良)」と量販店が指摘しても、ハウスメーカー側は「10年経っているため経年劣化。交換業者の接続ミスではないか」と主張し、施主が板挟みになって泣き寝入りする構図が繰り返されています。
4. 経済的メリットを完全に吹き飛ばす工事コスト
機器交換のたびに追加費用が発生するため、外観の美しさを維持するためのランニングコストとしては極めて割高です。標準工事で数万円で済むはずの交換作業が、配管洗浄や特殊工事によって一気に2〜3倍へと跳ね上がります。