風営法第37条に基づく警察官の立ち入り検査は、店舗側が予想もしないタイミングで抜き打ちで執行されます。かつて都内のガールズバーで店長を務めていた元関係者の手記と証言から、その緊迫した現場のリアルが浮かび上がります。
「週末の深夜1時過ぎ、店内が満席のピーク時に、スーツ姿の私服警察官6名と所轄の生活安全課員が突然店内に雪崩れ込んできました。警察手帳を提示されると同時に音楽は即座に止められ、照明が全開にされました。『全員その場から動かないで!スタッフはカウンターから出ない!』という怒号が響き、店内の空気は完全に凍りつきました」(元店長の証言)
現場では、客の一人ひとりに対して「スタッフとどのような話をしていたか」「ゲームの勝敗で酒を飲んでいなかったか」「お酌は誰がしたか」などの聞き取りが別々に行われます。店員と客の間で事前に口裏を合わせる時間的猶予は一切与えられません。さらに、レジの売上データ、キャストのバック表、客伝票、防犯カメラのハードディスクレコーダーがその場で押収され、日常的に接待が行われていた客観的証拠が瞬時に保全されていきます。一度立ち入り検査が入れば、言い逃れができる余地は残されていないのが現実です。