ネット上の掲示板やSNSで頻繁に話題となるのが、びっくりドンキー茅ヶ崎店の現在に関する真偽です。検索エンジンのサジェストに「閉店」「跡地」といった単語が並ぶことから、「お気に入りの茅ヶ崎店が閉店してしまったのでは」と不安に感じる方も少なくありません。
しかし、運営元である株式会社アレフの公式開示情報および神奈川県内の過去の出店台帳を精査したところ、茅ヶ崎市内において「びっくりドンキー茅ヶ崎店」という単独店舗が営業していた歴史的事実は確認できません。つまり、店舗が潰れたわけではなく、最初から茅ヶ崎市内には存在していなかったというのが事実です。
では、なぜ存在しない店舗に対してびっくりドンキー茅ヶ崎店の閉店理由や跡地に関する噂がこれほど広まったのでしょうか。背景には、地域特有の地理的要因とインターネットの検索構造が複雑に絡み合っています。
第一の要因は、茅ヶ崎市と隣接する藤沢市・平塚市の境界付近に位置する大型ロードサイド店舗の存在です。特に辻堂新町にある店舗や平塚の海岸沿いにある店舗は、茅ヶ崎市東部・西部の住民にとって「生活圏内にあるドンキー」として極めて身近な存在でした。地元住民が日常会話の中で「茅ヶ崎のほうにあるドンキー」と大まかな感覚で呼んでいた呼称が、ネット上のクチコミやブログ記事に散見された結果、「茅ヶ崎店があるはず」という認知が定着したと推測されます。
第二の要因は、茅ヶ崎市内の幹線道路(国道1号線や産業道路沿い)で発生した他社ファミリーレストランの相次ぐ撤退と、それに伴う「居抜き出店への期待感」です。地域住民の間で「ファミレス跡地にびっくりドンキーが進出するのではないか」という待望論が地域掲示板などで議論され、その記憶が年月を経て「ドンキーがあった」「そして閉店した」という誤った記憶のすり替わりを生み出しました。