実際に無印良品の家に暮らして10年を迎えたオーナーたちの記録や、「無印良品の家 住んでみた ブログ」での率直な告白を精査すると、後悔の声と満足の声の境界線が明確に見えてきます。一級建築士や宅建士が運営する専門メディア「建築士の家づくりノート」においても、無印良品の家の10年後は「適切なメンテナンスを行ってきたかどうか」で天地の差が生じると論じられています。
肯定的な評価を下すオーナーの多くは、無垢の床についた凹みや傷を「家族の成長の軌跡」と捉え、サンドペーパーがけや蜜蝋ワックスの塗り直しを愛着を持って楽しんでいます。木製サッシや柱が深い飴色に変化し、時間とともに深みを増す空間を「経年美化」として楽しんでいるのです。
その一方で、明確な「後悔」を滲ませるオーナーの手記では、日常のお手入れに対する心理的・金銭的負担の重さが語られます。特に共働き世帯やメンテナンスフリーを求めていた層からは、次のような切実な証言が寄せられています。
「自然素材に囲まれたシンプルな暮らしに憧れて建てたが、小さな子どもがおもちゃを落とすたびに無垢床が激しく凹み、ストレスになった」(築3年目・30代女性手記)
「10年点検を迎えた際、ウッドデッキの腐朽と外装メンテナンスの見積もり額を見て言葉を失った。日頃の自主塗装を怠っていたツケが一気に回ってきた」(築10年目・40代男性ブログ)
素材の呼吸を受け入れる覚悟があるのか、あるいは傷一つない清潔感を求めるのかによって、10年後の景色は180度異なるものになります。