JAXA公式資料および各種報道によると、筑波宇宙センターの歴史は1972年(昭和47年)6月1日に遡る。当時の宇宙開発事業団(NASDA)がN-Iロケットの打ち上げ準備を本格化させるにあたり、筑波研究学園都市の一画に設立されたのが始まりだ。
その後、2003年のJAXA発足と同時にNASDAの事業を実質的にすべて引き継ぎ、現在に至る。法人統合時点においても筑波宇宙センターはJAXA内で最大規模の組織であり、種子島宇宙センターや角田宇宙センターといった他拠点の運用を統括する「司令塔」的存在として機能している。
敷地面積は約53万平方メートル(東京ドーム約11個分)。この広大な敷地の中には、衛星の総合試験設備、宇宙飛行士の訓練棟、宇宙医学生物学研究所、そして一般公開エリアである展示館「スペースドーム」が点在する。研究学園都市にふさわしく、敷地内は緑豊かな環境が整備されており、施設そのものの景観も来訪者を惹きつける要素のひとつとなっている。
JAXA公式ウェブサイトは「宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行う機関」と自機関を定義しているが、筑波宇宙センターはまさにその定義を体現する場所だ。理論から実装、そして運用まで——宇宙開発のバリューチェーン全体がこの一か所に凝縮されている。