数体系を整理する上で、最も議論が白熱するのが「整数と自然数の違い」、とりわけ「0は自然数に含まれるか」という問題です。この問いに対する回答は、「どの教育環境・学問領域に立っているか」によって異なります。
日本の学校教育(初等・中等教育)においては、0は自然数に含まれません。文部科学省の規定では、自然数は「物を数えるときに使う数(1, 2, 3…)」、すなわち「正の整数」と同義とされています。したがって、高校入試や大学共通テストにおいて「自然数を求めよ」と問われた場合、0を含めると誤答扱いです。
一方で、大学以降の現代数学(集合論や数理論理学)や情報科学・コンピュータサイエンスの世界では、ペアノの公理の構築やプログラミングの配列インデックス(0番目からスタートする設計)との親和性から、「0を自然数に含める($\mathbb{N}_0 = \{0, 1, 2, 3\dots\}$)」流儀が国際的標準として広く用いられています。学問の文脈によって扱いが異なる点こそが、知恵袋やSNSで論争が絶えない構造的要因です。
全体の包含関係を示す有理数と整数の関係まとめとして確認すると、「実数」という大きな枠組みの中に「有理数(分数で表せる数)」があり、その中に「整数」が含まれ、さらにその中に「自然数(正の整数)」が収まるという入れ子構造になっています。0は分数として「$0/1$」や「$0/5$」のように分母が0以外の整数比で表せるため、有理数の一員でもあります。