移籍関連のニュースが流れる際、ファンコミュニティでしばしば混同されがちなのが「無償トレード」と「FA移籍に伴う人的補償」の仕組みです。
まず無償トレードとは、選手獲得側が見返りとなる選手や金銭を譲渡側に一切支払わず、保有権のみを移籍させる形式を指します。「タダで選手を放出する」という字面からネガティブな印象を持たれがちですが、実態は「高額年俸選手の年俸負担を新球団に引き継いでもらうためのコストカット」や、規律違反・戦力外に近い状態のベテランに対して「他球団でのプレー機会を確保するための配慮」として機能しています。
一方、人的補償はフリーエージェント(FA)権を行使して選手を獲得した球団が、旧所属球団に対して規定に基づき差し出す補償システムです。獲得球団が設定する「プロテクトリスト(原則28名)」から漏れた選手の中から、旧所属球団が指名して獲得します。トレードが「両球団の合意」で成立するのに対し、人的補償は「FA規約に基づく一方的な指名」である点が根本的に異なります。