歌舞伎町ヤクザマンションの場所と現在|歴史と治安のリアルを追う

歌舞伎町ヤクザマンションの場所と現在|歴史と治安のリアルを追う

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決定的な転換点となったのは、2011年10月に完全施行された東京都暴力団排除条例です。この条例により、不動産管理業者や所有者には契約時の暴力団排除条項(暴排条項)の導入が義務付けられ、組事務所としての使用を容認した家主には勧告や公表などの罰則が科されるようになりました。

管理組合による自衛措置も加速しました。防犯カメラの所有権を組側から管理組合へと一本化し、共用部の電子キー導入、警察OBの顧問就任、さらには裁判所への使用禁止仮処分命令の申し立てなどを通じて、かつて堂々と掲げられていた代紋入りの看板や組員控室は完全に一掃されました。2026年現在、警視庁の監視リストにおいて、同建物内に堂々と機能している正規の事務所は存在しません。

しかし、治安リスクがゼロになったわけではありません。ネット上の口コミや住民のリアルな投稿を追うと、新たな課題が浮かび上がってきます。

「夜中の3時に廊下で大声を出すホストや、キャリーケースを引いた外国人観光客が頻繁に出入りしている」「ポストの周りにチラシやゴミが散乱し、異臭がすることもある」といった声が散見されます。かつての「暴力団の恐怖」に代わり、現在は生活マナーの欠如、騒音トラブル、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の潜伏リスクといった、インナーシティ特有の無秩序さが新たな懸念材料となっているのが現場の実態です。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。