則本昂大を象徴する代名詞といえば、圧倒的な奪三振率である。しかし、守護神として再覚醒した現在の彼は、ただ空振りを狙うだけの投手ではない。打者心理を巧みに突く投球術の裏側には、緻密なデータ分析と肉体改造の努力が隠されている。
直球の威力を保ちつつ、カウントを取る変化球と決め球としてのフォークボールの軌道をより見分けづらくチューニング。打者は初球から警戒を強めるが、狙い球を絞りきれずに凡打の山を築く。かつての奪三振王は、球数を抑えつつ確実にアウトを重ねる「効率的なピッチング」をも手に入れたのだ。ピンチの場面で見せる渾身の咆哮と三振奪取能力は、相手チームにとって絶望的な壁となっている。