世論の厳しい視線に対し、業界側はどう答えているのでしょうか。日本新聞協会の記者クラブ見解において、組織は「公権力の監視を目的とした自律的組織であり、社交クラブや排他的組織ではない」と一貫して主張しています。会見の主催権は行政側ではなく記者クラブ側にあるため、不当な情報隠蔽を防ぐ砦になっているというのが公式の立場です。
しかし、この主張は現実の「大手メディアと権力の癒着批判」の前に説得力を失いつつあります。放送法4条を盾に公平性を求められる放送局の萎縮や、政治家との夜会・会食によるパイプ構築に依存する「番記者システム」は、客観報道の原則である「取材対象からの独立」を根底から揺るがしています。
現在、急務とされているのがネットメディアへの会見開放です。一部の自治体や官公庁では、インターネット報道機関や専門誌の記者に対する常時パス発行が進み始めています。しかし、単に「席を増やす」ことと「本質的な情報公開」は別物です。会見のオープン化だけでなく、記者室の公費負担廃止、行政側による文書のオンライン全面直接公開(ダイレクト・ディスロージャー)をセットで進めなければ、第二の特権団体が生まれるだけに終わりかねません。