この場所が放つ独特の風格は、その成り立ちに由来する。かつてこの広大な敷地には、近代日本の産業を支えた日本毛織株式会社(通称ニッケ)の中山工場が稼働していた。創業者の川西清兵衛が掲げた「誠実と共栄」の精神は、工場が役目を終え、1988年にニッケコルトンプラザとして生まれ変わった後も脈々と息づいている。
当時の商業施設開発において、広大な工場跡地を単なる無機質なコンクリートで覆うのではなく、緑地やレンガ調の景観を大切に残した判断は極めて先見的だった。歴史の重みを感じさせる木々の梢や、歩くこと自体が心地よいオープンモール形式の動線。それらはすべて、この土地の記憶を未来へ繋ごうとした開発者たちの強い信念の結晶だ。