トランプ氏が非会員であるにもかかわらず、「フリーメイソン イルミナティ 陰謀論」の文脈で頻繁に名前が挙がるのには、同氏特有の政治的ナラティブが関係しています。
トランプ氏は政界進出以来、ワシントンにはびこる官僚組織や既得権益層を「ディープステート(影の政府)」と呼び、自らをその腐敗と戦う救世主としてブランディングしてきました。この構図が、ネットカルチャーにおいて以下の2つの相反する言説を生み出しました。
- 黒幕説:「巨万の富を持つトランプも、裏で世界を操る国際秘密結社の一員に違いない」とする見方。
- 光の戦士説:「トランプはフリーメイソンやイルミナティといった秘密結社による世界支配を打破するために戦っている」とするQアノン的な信奉。
どちらの言説も極端な飛躍ですが、共通しているのは「目に見えない巨大な権力構造」の象徴としてフリーメイソンが利用されている点です。トランプ氏の劇場型政治と強烈なレトリックが、大衆の持つ秘密結社への好奇心や猜疑心と結びつき、ネット上で拡散され続ける土壌を作り出しています。