貝ひも料理で最も重要な工程が下処理(ぬめり取りと臭み抜き)です。貝ひもの表面には特有の粘液や微細な汚れが付着しており、これらをそのまま調理すると生臭さやえぐみの原因になります。日本料理の板前や産地の卸業者が実践する基本ステップを実践しましょう。
まずはホタテの殻から外した貝ひもから、黒い内臓部分(ウロ/中腸腺)を完全に取り除きます。ウロには重金属などが蓄積しやすいため、必ず包丁や手でちぎって廃棄してください。残ったひも部分と外套膜(エラのように見えるヒダ)を使用します。
【ステップ1:粗塩での塩もみ】
ボウルまたはザルに貝ひもを入れ、たっぷりめの粗塩(貝ひも100gに対して大さじ1程度)を振りかけます。指先で全体を揉み込むと、内部から白っぽい泡状のぬめりと汚れが浮き出てきます。より丁寧に行う場合は、まな板の上で包丁の背を使って表面を軽くこそげてから塩もみすると、汚れが綺麗に落ちます。
【ステップ2:冷水での洗い流し】
流水を当てながら、揉み出したぬめりと塩分をしっかりと洗い流します。指で触ったときにキュキュッとした張りのある感触になればぬめり取りは成功です。
【ステップ3:30秒の霜降り(下茹で)】
岩手県三陸の「ヤマキイチ商店」などの鮮魚現場でも推奨されているのが、沸騰した湯に30秒ほどくぐらせる「霜降り」です。表面のタンパク質を瞬時に凝固させることで、残存する微細な生臭さを断ち切り、独特の歯ごたえを際立たせます。湯通し後はすぐに冷水(または氷水)に落とし、ペーパータオルで水気を徹底的に拭き取ります。