SNSや大手通販サイトのレビュー欄を調べると、「バッグの中で異常発熱して異臭がした」「充電中にパキッと音がして本体が膨張した」といった背筋の凍る体験談が散見されます。こうした充電式カイロの危険性を巡る噂の発端は、本体内部に組み込まれたリチウムイオンバッテリーの特性に起因しています。
冬場に指先を温めるカイロは、それ自体が「自ら発熱する機器」です。通常のリチウムイオン電池は熱に弱く、45℃を超える高温環境に晒され続けると電解液の分解が進み、内部ショートを引き起こす危険性が跳ね上がります。つまり、充電式カイロは構造上「熱に弱いバッテリーを、自らのヒーターで加熱し続ける」という本質的な矛盾と背中合わせの製品なのです。
報道関係者や製品事故の調査機関が警鐘を鳴らす充電式カイロ爆発の真相の多くは、ECモールで氾濫する極端な低価格品(1,000円〜2,000円前後のノーブランド品)に集中しています。これら粗悪品はコスト削減のために「過充電・過熱防止の保護回路」が省略されていたり、他製品の廃バッテリーを再利用したセルが使われていたりするケースが少なくありません。内部短絡によって可燃性ガスが噴き出し、最悪の場合は破裂や火災に至る事故が毎冬のように公表されています。ネット上で「買ってはいけない」と騒がれる根底には、命や財産を脅かしかねない安全性の格差が厳然と存在している事実があります。