実務で戸惑いやすいのが、書類のどの位置に、どのような角度で印鑑を当てるかという点です。基本作法を把握しておけば、現場で焦ることはありません。
1. 割印を押す位置の基本原則
契約書の割印ルールにおいて、押印位置は「2通の契約書を少しずらして重ねた上部の境界線」または「左右にぴったり並べた境目の中央」が基本です。日本の商習慣では、書類上部の余白に2通またがるように押すスタイルが最も一般的です。文書の文字にかからないよう、余白のバランスを見極めて押印します。
2. 2者間・3者間契約における押印ルール
2社間契約(甲と乙)の場合、2通の契約書を少し重ね、当事者双方がそれぞれの印鑑を境目に押します。横並び、あるいは上下に並べて2つの割印を施すのが通例です。 これが3社間(甲・乙・丙)の契約になると、3通の契約書を階段状に少しずつずらして重ね、3通すべてにまたがるように押すか、各2通ずつの組み合わせすべてに割印を押す必要があります。
3. 領収書の割印ルール
領収書の割印は、領収書本体と発行元の「控え(半券)」の境目に押します。これにより、控えに書かれた金額・宛名と、相手に渡した領収書が同一のものであることを証明し、後からの不正な金額改ざんや架空領収書の発行を防止します。
4. 割印に使う印鑑の種類
割印には「この印鑑でなければならない」という厳格な法的制限はありません。しかし、実務上のマナーとしては以下の基準が定着しています。
- 実印・契約印と同じ印鑑を使う:契約書の末尾(署名捺印欄)に押した代表者印や角印、個人の実印・認印と同じものを使用するのが一般的です。同一の印影を用いることで、証拠としての説得力が高まります。
- 割印専用印(細長い楕円・長方形の印鑑):法人の法務部や不動産・金融業界では、2通〜3通の書類にまたがりやすい縦長の「割印専用印」を用いるケースがあります。会社名などが縦に細長く彫られており、複数枚に均等に朱肉を乗せやすい設計になっています。