映画の空気感を肌で体感したいファンの間で、いま最も熱い視線を集めているのが鎌倉市周辺を巡るロケ地探訪ルートだ。劇中の店舗「パティスリー・コアンドル」が醸し出すヨーロッパの街角のような佇まいと、鎌倉が持つレトロモダンな洋館建築の風情は見事なシンクロを見せる。
巡礼のスタート地点としておすすめなのが、江ノ島電鉄の長谷駅から由比ヶ浜へと抜ける散策コース。潮風が運ぶ独特の湿り気と、古い煉瓦や緑豊かな木々に囲まれた路地裏は、まさに劇中でなつめが駆け抜けた東京の下町情緒と重なり合う。
知る人ぞ知る撮影協力スポットや、当時の美術スタッフがインスピレーションを得たとされるクラシックな佇まいの洋館カフェを線で結ぶと、鎌倉の豊かな歴史と映画の世界観が溶け合う至高の散策マップが浮かび上がる。江ノ電の走る音を遠くに聞きながら、物語の断片を拾い集める時間は、日常を忘れさせる特別な体験となるはずだ。