実際にシングルオリジンに触れた生活者やカフェ現場では、どのような変化が起きているのでしょうか。大手クチコミサイトやコーヒーコミュニティ、都内ロースタリーの店頭で交わされる生の声を検証しました。
愛好家たちからは、「エチオピアを初めてハンドドリップで飲んだとき、ブラックなのにピーチティーのような味がしてコーヒーの概念が崩壊した」「朝はその日の気分に合わせて中米の軽やかな豆を選び、夜はしっかりとしたコクのある深煎りを飲むというライフスタイルに変わった」というポジティブな声が数多く寄せられています。生産者の顔が見えるストーリー性に惹かれ、ギフトとして選ぶ層も確実に増加しています。
一方で、率直な戸惑いの声も存在します。「毎日ガツンと苦いブラックを流し込んで目を覚ましたい自分には、華やかすぎて物足りない」「1杯あたりの単価が高く、日常使いとしてはブレンドと併用せざるを得ない」といった意見です。実際に都内専門店のテイクアウト価格を見ても、ブレンドが1杯450円〜600円程度であるのに対し、希少なシングルオリジンは1杯800円〜1,500円に達することも珍しくありません。日常の水分補給としてガブガブ飲む飲料ではなく、ワインのように嗜むプレミアムな嗜好品としての位置付けが現場でも明確になっています。