センター試験のおもしろ問題!伝説の四天王やムーミン珍問の真相

センター試験のおもしろ問題!伝説の四天王やムーミン珍問の真相

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一見すると作問者の遊び心や悪ふざけのようにも受け取れるこれらの問題ですが、大学入試センターの出題方針を掘り下げると、極めて厳格かつ合理的な作問プロセスが見えてきます。

第一の理由は、「背景知識による有利不利の完全な排除」です。英語のリスニングテストにおいて、実在する人物や日常的なシチュエーションを描写すると、受験生の文化的背景や事前の生活経験によって聴き取りの難易度に差が生じるリスクがあります。例えば「スーツを着たサラリーマン」を描いた場合、特定の先入観が働き、音声を正確に聴取していなくても正解を推測できてしまう余地が生まれます。あえて「筋肉質のリンゴ」や「空を飛ぶニンジン」といった現実世界に存在しない奇抜な概念を描くことで、受験生全員を同じスタートラインに立たせ、「聴こえた英語の指示通りに識別できているか」という純粋なリスニング能力のみを測定する環境を整えているのです。

第二の理由は、著作権法上の制約と試験の公平性維持です。既存のイラストや市販のキャラクターをそのまま使用する場合、著作権許諾の手続きに膨大なコストと時間がかかるだけでなく、問題の事前漏洩を防ぐ秘匿性の観点からもリスクを伴います。そのため、入試問題の図版は専門のイラストレーターが作問委員の厳格な指示のもとで完全オリジナルとして描き起こされます。その結果として、無機質さと独特のシュールさが同居した独特のタッチが生まれることになります。

認知心理学およびテスト工学の観点から見れば、これらの問題は「文脈の抽象化」を行う高度な手法です。余計なノイズ情報を削ぎ落とし、試したい能力のコアだけを抽出した結果が、皮肉にも世間にとっての「おもしろ問題」として結実したといえます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。