大分・玉来ダムの現在と治水効果|なぜ水がない?流水型の秘密と見学情報

大分・玉来ダムの現在と治水効果|なぜ水がない?流水型の秘密と見学情報

大分・玉来ダムの現在と治水効果|なぜ水がない?流水型の秘密と見学情報に関するポイントを詳しくまとめました。専門的な情報をご覧ください。

玉来ダムが一般的な多目的ダムではなく「流水型ダム」として建設されるに至った背景には、竹田市が辿ってきた凄惨な水害の歴史と、地形特有の地質学的リスクがありました。

大分県竹田市は、阿蘇山や九重連山に囲まれたすり鉢状の地形であり、降った雨が一気に市街地の河川へと集中する脆弱性を抱えています。特に1982年(昭和57年7月豪雨・竹田水害)、そして死者・行方不明者を出した1990年(平成2年7月豊肥水害)では、玉来川と稲葉川が相次いで氾濫し、城下町である竹田市街地は壊滅的な浸水被害に見舞われました。この1990年の大水害を契機として、翌1991年(平成3年)に玉来ダムの事業調査が本格始動した経緯があります。

しかし、阿蘇火砕流堆積物に覆われた脆い地質構造や用地買収、環境保全への配慮から計画は長期化。その最中、2012年の九州北部豪雨が発生し、竹田市は再び記録的な豪雨により甚大な被害を受けました。この災害が決定打となり、「気候変動による極端豪雨に耐えうる、確実かつ維持管理負担の少ない治水施設」として、人為的なゲート操作ミスが起きない流水型ダムの建設が急ピッチで進められることとなったのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。