4サイクルエンジンが支持される最大のメリットは、圧倒的な低燃費、優れた耐久性、そして低回転域からの粘り強いトルク特性です。シリンダー内での燃焼間隔が適切なため熱がこもりにくく、密閉されたオイルラインによる強制油圧潤滑によって主要メタルやシリンダー壁面の摩耗を最小限に抑えられます。一方で、シリンダーヘッド周りに動弁機構を組み込む必要があるため、部品点数が多くエンジン単体の重量が重くなり、製造・修理コストが高くなる点がデメリットとして挙げられます。
この吸気・排気の開閉を司るバルブ機構には、主に「SOHC(シングル・オーバーヘッド・カムシャフト)」と「DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)」の2方式が存在します。
■ SOHC(1本のカムシャフトで吸排気を制御):
シリンダーヘッド上に1本のカムシャフトを配置し、ロッカーアームを介して吸気バルブと排気バルブの両方を開閉させます。構造が比較的コンパクトで軽量、部品点数も抑えられるため、実用車や軽自動車、スクーター、汎用機などで広く使われています。低中速域のレスポンスに優れ、日常使いで扱いやすい特性を持ちます。
■ DOHC(吸気・排気それぞれに独立したカムシャフトを配置):
吸気側と排気側に1本ずつ、合計2本のカムシャフトを搭載します。バルブを直接押す直動式やショートロッカーアームが採用でき、バルブ挟み角を理想的なペントルーフ型燃焼室の形状に合わせて自由に設計できます。吸排気バルブの大型化や4バルブ化(1気筒あたり吸気2・排気2)が容易で、高回転域まで淀みなく空気を吸入できるため、スポーツカーや高性能オートバイの標準機構となっています。
現在では、吸気・排気のカムシャフト位相を電子制御でリアルタイムに進角・遅角させる可変バルブタイミング機構(VTC/VVT)や、バルブリフト量を変化させる技術が融合し、低燃費と高出力を極めて高次元で両立する設計が主流となっています。