「様」という漢字がなぜこのような構造を持つに至ったのか、その古代の成り立ちを知ると、筆順の記憶は一気に強固なものになります。
古代中国の甲骨文字や金文において、「様(旧字体:樣)」は元々、樹木の種類や加工するための「木型」を指す言葉でした。
構成要素を分解すると、左側の「木」は素材としての樹木を表します。右上の「羊」は神に捧げるいけにえの羊であり、「美しい」「神聖な」「整った」という吉祥の意味を持ちます。右下の「氺」は水の流れる形を表し、物事の流れるような模様や姿形を意味しています。
これらが組み合わさることで、「整った木型」「一定の規範」「美しい姿・ありさま」を意味するようになり、転じて人の姿態を表す「様子」や、相手への最大の敬意を込めた敬称「〜様」として使われるようになりました。神聖な羊と流れる水が合体した文字だからこそ、筆順にも無理のない流麗な流れが宿っているのです。