なぜ、熱海銀座にはこれほどまでに新しい店舗や事業が生まれ続けるのか。その答えは、新規参入者を受け入れる街全体のオープンな風土にある。かつて空き店舗が目立ったこの商店街では、地元不動産オーナーと若手起業家をつなぐ「リノベーションスクール」や、ポップアップ店舗として試験出品できるシェアスペースが積極的に運用されてきた。
「東京から移住して店を出す際、近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちが温かく『頑張ってね』と声をかけてくれたのが何より嬉しかった」と、2025年にヴィンテージショップを立ち上げた20代のオーナーは振り返る。出店コストを抑えつつ、地域コミュニティの強力なバックアップを受けられる仕組みが整っているため、熱海銀座は日本各地の若い才能が集まる「実証実験の場」として機能しているのだ。