松任を語る上で外せないのが、明治時代から一世紀以上にわたって北陸の鉄路を支え続けた「金沢総合車両所松任本所」の存在だ。車両の重要部検査や改造を一手に担ってきた巨大工場の歴史に幕が下ろされて以降、駅南西側に広がる広大な跡地の再開発プロジェクトが本格的に動き出している。
2026年現在、重厚な赤レンガ建築の遺構や転車台の記憶を継承しつつ、先端技術と地域コミュニティを融合させた複合エリアの造成が急ピッチで進む。重厚なディーゼル音の代わりに響くのは、未来のスマートシティを築く建設音だ。線路沿いの遊歩道には、かつてこの地を駆けた車両の歴史を伝える案内板が設置され、散歩に訪れた近隣住民が往時の活況に思いを馳せている。