本作を語る上で避けて通れないのが、東帝大学病院の歴代院長としてシリーズの屋台骨を支え続けた蛭間重勝役・西田敏行さんの存在です。2024年10月に旅立たれた西田さんにとって、本作はまさに映画遺作となりました。
映画における蛭間は、新院長の台頭によって失脚の危機に瀕しながらも、相変わらずの権謀術数としぶとさで院内政治を暗躍します。海老名敬(遠藤憲一)、加地秀樹(勝村政信)、原守(鈴木浩介)といった「御意軍団」との息の合ったアドリブ合戦は、10年以上の歳月で培われた熟練の域に達していました。制作陣の証言によると、撮影現場での西田さんは体調を考慮しながらも、カメラが回ると圧倒的な存在感とアドリブを繰り出し、現場を牽引し続けたといいます。
城之内博美役の内田有紀さんとの「ひろみちこ」のバディ関係、初期シリーズからの立役者である森本光役の田中圭さんの復帰、さらに物語の鍵を握る医大時代の恩人役・綾野剛さんの重厚な佇まいなど、全員が「FINAL」の名にふさわしい密度の濃い芝居を披露しています。