植物油は体に悪い?サラダ油・パーム油の危険性と安全な選び方を検証

植物油は体に悪い?サラダ油・パーム油の危険性と安全な選び方を検証

植物油は体に悪い?サラダ油・パーム油の危険性と安全な選び方を検証の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

なぜここまで植物油が激しく批判されるようになったのか。その背景には、単なる都市伝説にとどまらない複数の生化学的・製造工程上のリスクが存在します。主要な論点は大きく4つに集約されます。

第1のリスクは、高温加熱による過酸化脂質とヒドロキシノネナール(4-HNE)の生成です。大豆油やコーン油、菜種油などの多価不飽和脂肪酸を多く含む油を高温で加熱し続けると、油脂が急激に酸化します。この過程で生じるヒドロキシノネナールは強い細胞毒性を持ち、体内のタンパク質やDNAを損傷させることが判明しています。脳神経細胞の変性やアルツハイマー型認知症の発症リスクを高める引き金として、国内外の医学研究者から警鐘が鳴らされています。

第2に、製造工程における化学溶剤「ノルマルヘキサン」の使用と微量トランス脂肪酸の発生が挙げられます。安価な大量生産型のサラダ油やキャノーラ油は、原料から油分を効率よく絞り取るため、石油系溶剤であるヘキサンを用いて高温・高圧下で抽出(ヘキサン抽出法)されます。その後の脱臭・精製工程で200度以上の熱が加えられるため、熱に弱い油の一部が変質し、微量のトランス脂肪酸や酸化物質が副産物として混入する構造的デメリットを抱えています。

第3は、現代人の食生活における「オメガ6系脂肪酸(リノール酸)」の極端な過剰摂取です。サラダ油や大豆油、コーン油の主成分であるリノール酸は必須脂肪酸ですが、過剰に摂取すると体内でプロスタグランジンやロイコトリエンといった炎症性メディエーターを大量に産生します。本来は「オメガ6:オメガ3 = 2〜4:1」が理想とされる比率が、現代の一般的な食事では「10:1から20:1」にまで偏っており、アレルギー疾患の悪化、動脈硬化、肥満、慢性的な疲労感の温床になっています。

第4は、加工食品に隠された「植物油脂」とパーム油をめぐる懸念です。スナック菓子、カップ麺、準チョコレート、カレールーなどの原材料名に記載される「植物油脂」の多くはアブラヤシから採れるパーム油です。パーム油は飽和脂肪酸が多く酸化には強いものの、超高温での精製過程で生じる微量副生成物(3-MCPD脂肪酸エステル類など)について欧州食品安全機関(EFSA)が毒性評価を行うなど、過剰摂取による健康影響が問題視されています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。