食事のたびに手に取り、直接口に触れる箸。日本人の生活においてこれほど親密な道具は他にない。館内を巡った後、改めて並ぶ箸を一本ずつ手に取ってみると、重心のバランスや太さ、指先にかかる圧力がそれぞれ全く異なることに気づかされる。指先に心地よく収まる一膳を見つけ出した瞬間は、まるで運命の出会いのような高揚感がある。
職人が一年以上の歳月をかけて丹念に研ぎ上げた若狭塗の箸は、日々の何気ない食事の時間を、少しだけ背筋の伸びる豊かなひとときへと変えてくれる。旅の記憶を鮮やかに留め続ける工芸品とともに家路につく。それこそが、小浜という奥深い地を訪れる最大の醍醐味かもしれない。 (出典: 箸 の ふるさと 館 wakasa(Yahoo!ニュース))
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