柳井一族の正体と資産数兆円の家系図|ユニクロ世襲の真相と後継者

柳井一族の正体と資産数兆円の家系図|ユニクロ世襲の真相と後継者

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創業家がこれほど強大な株式を持ち、2人の息子が社内で実績を積んでいるにもかかわらず、なぜ正氏は息子たちをトップに指名しないのでしょうか。世間が長年抱いてきた「ユニクロ世襲の真相」には、正氏が過去の経営危機や自著『一勝九敗』などで繰り返し語ってきた冷徹な経営哲学があります。

「世襲は会社を滅ぼす。創業者の息子というだけで社長が務まるほど、現代のグローバル競争は甘くない」

正氏は折に触れてこう断言してきました。アパレル業界は流行の移り変わりが激しく、世界数千店舗のサプライチェーンを高速で回転させる現場感覚と、冷徹な意思決定が毎分毎秒求められます。息子たちに現場の泥臭い指揮を執らせれば、創業家の威光がかえって社内の自由な議論を封殺し、組織の硬直化を招くリスクを誰よりも熟知しているのです。

この方針を決定づけたのが、2023年に断行されたユニクロ社長交代 理由でした。国内・海外ユニクロ事業を統括する中核会社「株式会社ユニクロ」の代表取締役社長兼COOに、現場叩き上げで米国事業を黒字化させた塚越大介氏が抜擢されたのです。正氏はユニクロの代表取締役会長にとどまり、持ち株会社ファーストリテイリングの会長兼社長を兼任。執行の最高責任者には最も成果を出したプロ経営者を就け、息子たちには「株主の代表としての取締役(ガバナンス)」を務めさせるという役割分担がここで完全に確立されました。

つまり、柳井一族における承継とは「社長の椅子を継がせること」ではなく、「大株主兼取締役として会社を正しく監視・統治する権利を継がせること」に他なりません。これは欧米の名門企業(エルメスやウォルマートなど)が実践する「所有と経営の完全分離」そのものです。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。