冷え込みの厳しい県立鴨池補助競技場のスタンドを埋め尽くした観客が固唾をのんで見守る中、決勝の笛が響き渡りました。対戦カードは、前年覇者として大会3連覇を狙う神村学園高等部と、王座奪還に燃える鹿児島城西高校。県内のみならず全国の高校サッカー関係者が注目する事実上の頂上決戦です。
試合は立ち上がりから、神村学園が中盤でテンポよくボールを動かして相手守備ブロックの隙を突くポゼッションサッカーを展開。対する鹿児島城西は、センターバックを軸とした強固な守備陣形を維持しつつ、ボールを奪うやいなや素早い縦パスからカウンターを仕掛ける一歩も引かない攻防が続きました。
均衡が崩れたのは後半62分。神村学園がサイドの連係からペナルティエリア内に侵入し、鮮やかなラストパスから先制点を奪取。しかし、鹿児島城西も怯むことなくロングスローとセットプレーから猛攻を仕掛け、アディショナルタイム突入直前に値千金の同点ゴールを押し込み、試合は延長戦へと突入しました。
10分ハーフの延長戦で勝敗を分けたのは、選手交代による戦術の柔軟性と一瞬の判断力でした。神村学園のベンチが送り込んだ交代選手が中盤のセカンドボールを制圧し始めると、延長後半アディショナルタイムにゴール前のこぼれ球を泥臭く押し込み劇的な勝ち越しに成功。神村学園が2対1で鹿児島城西を振り切り、見事な大会3連覇を達成しました。
ピッチサイドで取材に応じた神村学園の指揮官は、「新チーム発足直後で完成度はまだ4割程度。苦しい時間帯にどれだけ自分たちのスタイルを信じ切れるかを試したかったが、選手たちが土壇場で粘り強さを発揮してくれた」と安堵の表情を見せつつ、全国基準の基準値をさらに引き上げる構えを示しました。