最高視聴率20%超を連発し、フジテレビ系『幸せって何だっけ 〜カズカズの宝話〜』と並んで民放各局を動かしていた細木氏のレギュラー番組群ですが、2008年3月をもって突如としてテレビ画面から姿を消すことになります。公式には「本業である占術の継承や充電のため」と発表されましたが、その裏側には熾烈なメディア攻防戦が存在していました。
最大の転換点となったのは、講談社の『週刊現代』において、ノンフィクション作家の溝口敦氏らが手がけた一連の批判的追及キャンペーンです。細木氏の過去の経歴、暴力団関係者との親交疑惑、高額な鑑定料や墓石販売をめぐる商法の実態が次々と白日の下に晒されました。これに対し細木氏側は名誉毀損訴訟を起こし法廷闘争へと持ち込みましたが、取材班による追及の手は緩みませんでした。
溝口氏の当時の記録や報道資料によると、細木氏による訴訟提起は番組出演を継続させるための防衛策という側面が強かったとされています。しかし、テレビ局に対するスポンサー企業からのコンプライアンス懸念が限界に達し、2008年3月の番組終了(降板)を見届ける形で、同年7月に細木氏側から訴訟が取り下げられるという幕引きを迎えました。視聴率至上主義だった平成のテレビ局が、コンプライアンス社会へと舵を切る過渡期における象徴的な事件でした。