サスペンスとミステリーの違いを解明!謎解きと緊張感の決定的真相

サスペンスとミステリーの違いを解明!謎解きと緊張感の決定的真相

サスペンスとミステリーの違いを解明!謎解きと緊張感の決定的真相の全貌を詳しく解説してご紹介します。

この両者の違いを、映画史上で最も明快に言語化した人物が、“サスペンスの神様”と称される映画監督アルフレッド・ヒッチコックです。映画監督フランソワ・トリュフォーによる伝説的なインタビュー集『ヒッチコック/トリュフォー』の記録において、彼は有名な「爆弾の例え」を用いてサスペンスの本質を説明しています。

ヒッチコックは次のようなシチュエーションを提示しました。会議室で4人の人物がテーブルを囲み、ごく平凡な会話を15分間続けています。そして突然、ドカンと爆弾が爆発する――これが「サプライズ(驚き)」であり、ミステリーに近い構造です。観客は爆発するまで何も知らされていないため、爆発の瞬間に数秒間だけ驚くだけで終わります。

しかし、ヒッチコック流のサスペンスは異なります。最初に、何者かがテーブルの下に爆弾を仕掛け、それが「午後1時に爆発する」という事実をあらかじめ観客にだけ見せておくのです。部屋の時計は12時45分を指しています。登場人物たちは何も知らずに他愛のない野球の雑談を続けていますが、観客は「早く逃げろ!」「爆発まであと5分しかない!」と座席の上で身もだえすることになります。平凡な会話の15分間が、耐え難いほどのサスペンスへと変貌するのです。

このヒッチコック サスペンスの定義と真相が示しているのは、サスペンスの発生源が「観客と登場人物の間の情報の非対称性(劇的アイロニー)」にあるという事実です。「観客は知っているが、作中の人物は知らない」という情報格差が生まれたとき、人間の脳内では激しい心理的緊張感と共感性ストレスが励起されます。推理小説のように情報を隠蔽して最後に明かすのではなく、あえて危険の存在を開示することこそが、サスペンスを成立させる高度な演出技術なのです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。