この場所の歴史を語る上で欠かせない人物が、創業者である佐久川政吉だ。米軍統治下の沖縄で、米軍基地内のクラブやレストランに勤務していた彼は、やがて来るであろうモータリゼーションの波をいち早く予見していた。
車社会のアメリカ文化を肌で知る佐久川は、まだ舗装も十分でなかった時代に、恩納村を南北に貫く国道58号沿いの海岸線を拠点に選んだ。「ドライブの途中に家族や仲間と立ち寄れる憩いの場を作りたい」。その強い信念のもと、1967年に誕生したのが沖縄初のドライブインレストランだった。
佐久川が持ち込んだ合理的な厨房設計やテイクアウトの仕組みは、当時の沖縄における外食・観光産業の黎明期に絶大な影響を与えた。本島北部「やんばる」へ向かう長距離ドライブの補給基地として、トラック運転手から家族連れまでを等しく満腹にしてきた歴史が、この頑丈なコンクリートの壁に刻まれている。