平成から令和にかけて全国の自治体で施行・強化された暴力団排除条例は、裏社会の経済基盤を根底から打ち砕いた。警察庁の主導による取締りの徹底により、組員が胸にバッジを付けて街を歩く行為自体が、即座に警察の標的となり、関係先へのガサ入れを招く致命的なリスクとなったのだ。
「以前なら金バッジを見せつければ相手が引き下がったが、今では即逮捕か組排除の口実になる」と、捜査関係者は語る。かつて組織の誇りであった代紋バッジは、今や組員にとっても隠さざるを得ない「危険物」と化している。多くの組員はバッジを金庫の奥深くに封印するか、あるいは組織離脱時に警察や組事務所へ返却する事態に追い込まれている。