ネット上のQ&AサイトやSNSでは、寺社参拝に関する様々な俗説が飛び交っています。神職や僧侶への現場取材で判明した「知っておくべき真実」を検証します。
1. 御朱印帳は分けるべきか?混在させた場合のリアルな現場対応
「神社とお寺で御朱印帳を分けないと断られる」という噂は本当でしょうか。結論から言えば、原則として神社用とお寺用で2冊に分けて管理するのが最も安全かつスマートです。
現在では多くの寺社で混在していても快く記帳してくれます。しかし、一部の厳格な寺院(日蓮宗の一部寺院など)や伝統ある古社では、「神仏が混ざった御朱印帳への記帳はお断りしています」と対応を断られ、書き置き(紙の御朱印)を渡されるケースが実際に存在します。せっかくの参拝で気まずい思いをしないためにも、最初から表紙の色やデザインで神社用・寺院用を分けておくのが玄人のたしなみです。
2. 喪中・忌中の初詣は神社とお寺のどっちに行くべきか?
身内に不幸があった際の初詣ルールは、死生観の違いから明確に分かれています。
神道において「死」はケガレ(気枯れ=生命力が減退した状態)と捉えられます。そのため、神聖な神域にケガレを持ち込まないよう、忌中(一般的に神道では五十日祭までの50日間)の神社参拝は厳禁とされています。50日を過ぎた「喪中」の期間であれば参拝を認める神社も多いですが、年忌が明けるまでは神社への初詣を控えるのが通例です。
対照的に、仏教では「死」をケガレとは見なしません。亡くなった方は仏様の導きによって極楽浄土へ向かう旅立ち路にあると考えるため、忌中・喪中であってもお寺への参拝・初詣は全く問題ありません。むしろ故人の冥福を祈り、新年の安寧を願う行為として推奨されます。身内に不幸があった年の初詣は、迷わず近隣の寺院へ向かうのが正解です。
3. おみくじは結ぶべきか?持ち帰るべきか?
境内の木や専用の「みくじ掛け」に結ぶか、財布に入れて持ち帰るかという問いに、絶対的な正解はありません。本来おみくじは、神仏からの「個別メッセージ(指針)」です。
吉凶にかかわらず、書かれている教訓を日々の生活の戒めとするために「持ち帰る」のが本来のあり方です。財布や手帳に大切に保管し、1年後に感謝を込めて境内の古札納め所に納めます。ただし、「凶」や「大凶」などの厳しい結果が出た場合に限り、「神仏とご縁を結んで悪運を境内に留めてもらう」という意味を込めて、境内の指定された場所に結んで帰るのが吉とされています。