かつて銘仙(めいせん)の産地として全国に名をはせた伊勢崎。その繁栄を支えた商人たちの邸宅や重厚な土蔵が、いま若いクリエイターや料理人の手によって洗練されたダイニングへと生まれ変わっている。
一歩足を踏み入れると、太い梁とほのかに香る木の匂いが心を落ち着かせる。ここで提供されるのは、時間がゆっくりと流れる空間にふさわしい丁寧な昼食だ。ある店では、手作りの小鉢が10種類以上並ぶ和定食が人気を博し、別の店では薪窯で焼き上げる香ばしいガレットが訪れる人を魅了する。古いものを壊さず、新しい価値を吹き込む。そんな伊勢崎らしい美学が、皿の上にもしっかりと表現されているのだ。