アプリで練習を進める際にも、避けて通れないのが「どの記法をベースに理解するか」という問題です。日本の野球界には大きく分けて「早稲田式」と「慶応式」という2つの代表的な流派が存在し、これが初心者を混乱させる最大の要因になっています。
早稲田式と慶応式の違いを一言で表すと、「打席の枠をどう使うか」にあります。現在、日本の高校野球連盟やアマチュア球界で9割以上のシェアを占める早稲田式は、四角いマス目の中にダイヤモンドを描き、各塁への進塁プロセス(誰のどの打球で進んだか)を1画ずつ細かく記録していく方式です。情報量が豊富で、後から試合の状況を完全に再現できる利点があります。
一方の慶応式(プロ野球の公式記録などで採用されている方式に近い形式)は、中央に打撃結果、四隅に進塁情報を小さく記入するスタイルで、記入の手間が比較的少なく速記性に優れています。初心者が独学を始める際は、まず一般的な野球スコアブックの書き方初心者向けマニュアルで扱われる早稲田式に絞って学習するのが確実です。
ここで、実戦練習に入る前に最低限抑えておきたい基本の野球スコア記号一覧まとめを確認しておきましょう。
- 守備位置番号:1(投手)、2(捕手)、3(一塁)、4(二塁)、5(三塁)、6(遊撃)、7(左翼)、8(中堅)、9(右翼)
- 打球結果:ゴロ(数字の組み合わせ。例:サードゴロ=5-3)、フライ(Fを冠する。例:ライトフライ=9FまたはF9)、ライナー(Lを冠する。例:ショートライナー=L6)
- 出塁事由:四球(B)、死球(DBまたはHP)、振り逃げ(Kに付記)
- 走塁・その他:盗塁(SまたはSB)、盗塁死(CS)、暴投(WP)、捕逸(PB)、失策(E)、三振(K/見逃しは逆Kと表記されることも多い)
アプリの入力シミュレーションでは、これらの記号を自分で手書きせずとも、画面上の「セカンドゴロ」「三振」といったボタンを選ぶだけで正規の記号に自動変換してくれます。この「正解の表記を何度も目で確認するプロセス」が、紙のスコア用紙への記入スキルを底上げする強力なトレーニングとなります。