大韓民国大統領府の歴史は、対日政策の激しい振幅の歴史そのものである。文在寅前大統領が推進した強硬路線は、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄通告や歴史認識問題をめぐり、日韓関係を戦後最悪の氷河期へと突き落とした。対する尹錫悦現大統領は、就任直後から対日関係の正常化を掲げ、シャトル外交の復活や経済協力の打診など劇的な外交旋回を試みた。
しかし、政権基盤の維持や野党勢力からの激しい追及に直面する中で、対日歩み寄りに対する国内の反発は根強い。「弱腰外交」との批判をかわすため、大統領府内部では対日協調を模索しつつも、特定の歴史的・主権的アジェンダでは強硬姿勢を覗かせるダブルスタンダードを余儀なくされている。振り子のように揺れる外交姿勢こそが、歴代政権を突き動かす根深い葛藤の正体だ。