足の血管トラブルと聞くと、血管がコブのようにボコボコと浮き出る様子をイメージする方が多いはずです。では、クモの巣状静脈瘤と一般的な下肢静脈瘤にはどのような違いがあるのでしょうか。
下肢静脈瘤は、侵される血管の太さや深さによって主に以下のタイプに分類されます。
- 伏在(ふくざい)静脈瘤:足のメインルートである大伏在静脈や小伏在静脈の弁が壊れ、血管が太くコブ状(径4ミリ以上)に浮き出るタイプ。足のだるさ、むくみ、こむら返り、重症化すると皮膚炎や潰瘍を伴う。
- 側枝(そくし)静脈瘤:伏在静脈から枝分かれしたやや細い血管(径2〜3ミリ)が膨らむタイプ。
- 網目状(あみめじょう)静脈瘤:皮下の浅い部分にある径1〜2ミリ程度の青色〜青紫色の血管が網目状に広がるタイプ。
- クモの巣状静脈瘤:最も浅い真皮層にある径0.1〜1ミリ未満の赤〜赤紫色の血管が拡張するタイプ。
このように、下肢静脈瘤との違いは主に「血管の深さと太さ」にあります。クモの巣状静脈瘤単体であれば、足の切断に至ったり、血栓が肺に飛んで命を脅かしたりするような直接的リスクは極めて低く、クモの巣状静脈瘤の放置による生命の危険性はほぼありません。
しかし、決して油断できない盲点があります。それは、「皮膚表面のクモの巣状静脈瘤は、奥深くにある伏在静脈不全のサイン(氷山の一角)である可能性がある」という点です。表面に見えているのは細い血管であっても、エコー検査(超音波検査)を行うと、深部の大伏在静脈で弁不全を起こし、逆流した血液の圧力が逃げ場を失って表面の毛細血管を押し広げているケースが約20〜30%の割合で存在します。この場合、大元の逆流を放置したまま表面だけを治療しても、すぐに別の場所から再発してしまいます。