コーヒーの味わいを決定づける要素のなかで、意外に見落とされがちなのが「水」だ。都城盆地は、霧島連山に由来する豊かな湧水と地下水に恵まれている。適度なミネラルを含んだ軟水は、抽出時にエチオピアやケニア産豆が持つ複雑な果実味と繊細な酸味を見事に引き出す。
「東京や福岡で淹れていた時とは、抽出の出方が明らかに違う」。市内でマイクロロースタリーを営む店主はそう語る。2026年現在、浅煎り(ライトロースト)を中心に取り扱うロースターが市内に次々とオープンしており、テロワールをダイレクトに感じる一杯を求めて、県外から足を運ぶコーヒー愛好家も少なくない。