成田山参道のうなぎ文化を象徴するのが、常に長蛇の列を作る「川豊 本店」と「駿河屋」です。どちらも全国的な知名度を誇る屈指の名店ですが、焼きの技術、タレの風味、そして混雑対策のオペレーションには決定的な違いがあります。
1910年(明治43年)創業の川豊 本店は、店頭で熟練の職人がリズミカルに鰻を捌き、串を打ち、焼き上げるライブ感が圧巻です。川豊の特徴は、創業以来継ぎ足されてきた「あっさりとした甘辛タレ」と、蒸しをしっかり入れた「とろけるようなフワフワ食感」にあります。脂の重たさを感じさせない軽やかな仕上がりは、老若男女を問わず支持される理由となっています。混雑対策として導入されているQRコード付き整理券システムにより、スマホで呼び出し状況を確認しながら参道観光ができる点も大きな強みです。
一方、新勝寺の総門脇に店を構える駿河屋は、寛政10年(1798年)の旅籠創業から続く歴史を誇ります。こちらの真骨頂は、下総名産の醤油と高級みりん「白味噌」を絶妙に調合した「コク深く重厚な秘伝ダレ」と、備長炭でじっくり焼き締めた肉厚な鰻の力強い旨味です。大井川共水うなぎなどのブランド鰻も扱い、一口ごとの満足感と上品な後味が食通を唸らせています。駿河屋は職人の手焼きに徹底してこだわるため、注文後の焼き上がりにも一定の時間を要しますが、待つ価値を十分に感じさせる格別の風格があります。