皮膚の角質層と爪の間は、本来であれば強固なバリア機能によって守られています。しかし、日常の些細な行動がその防壁を破壊し、常在菌の侵入を許してしまいます。
1. ささくれ(逆剥け)を無理に引っ張ってむしる
爪の側面の皮膚が乾燥してめくれた「ささくれ」を、指先や爪切りを使わずに指で無理やり引きちぎると、目に見えない深さまで生きた表皮が剥離します。そこから黄色ブドウ球菌が侵入し、数時間後から急速に増殖を開始します。ささくれを見つけた際は、根元から清潔なハサミや爪切りでカットし、保湿することが鉄則です。
2. 深爪と爪の角を斜めに切り落とす習慣
爪を短く切りすぎると、指先の柔らかい皮膚が盛り上がり、伸びてきた爪の角が皮膚に突き刺さる「陥入爪(かんにゅうそう)」を誘発します。特に足の親指において、巻き爪と深爪が合わさることで皮膚が常に傷つき、慢性的な化膿と肉芽形成を繰り返す原因となります。
3. 水仕事や頻繁な手洗い・アルコール消毒による乾燥
調理師、美容師、医療従事者、あるいは家事で日常的に水や洗剤に触れる人は、爪の生え際にある甘皮(キューティクル)が脱落しやすくなります。甘皮が失われると爪と皮膚の間に隙間ができ、カンジダ菌などの真菌が侵入して「慢性爪囲炎」を引き起こします。